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「教育っていくらなんですか?」崩壊するアメリカの公教育 鈴木大裕さん講演会を開催しました



学校の教育って、いくらなんでしょう?

子どもが体育館を使える権利はいくら?

専門の音楽の先生から授業を受けられる権利は何円?

もしそれが払えない家庭はどうすればいいの?

アメリカの「公」教育で進みゆく崩壊の足音。

今回tanQfamilyでは『崩壊するアメリカの公教育 日本への警告』著者の鈴木大裕さんに講演に来ていただきました!

教育に広がる新自由主義の波?

“…そんな状況だから生徒数は減り、それによりまた予算が削減され、学校の建物に「同居」する他の人気校に教室や体育館や実験室も奪われるという悪循環が起きる

体育館へのアクセスがないために、他の学校の子供達が体育館で体育の授業を受ける中、娘の学校の子どもたちは机を片付けて教室の中でできる「体育活動」を行い、障がいをもつ生徒らは廊下でフィジカルセラピーを受けている

そして皮肉にもの学校の子どもたちが音楽の授業を受けられないでいる中、同居する学校からはジャズバンドの楽しそうな音が聞こえてくる。まるで同じ校舎の中でカースト制があるかのようだ…”

これは、実際にアメリカの「公」教育が民営化されて起きている現実だそうです。

教育は「サービス」で、

学校や教員は「サービス・プロバイダ」

生徒と親は「カスタマー」となり、

教育委員会は「カスタマーセンター」

教育にかけた「コスト」でテストによりどれだけの「パフォーマンス」が出たかを測る。

そんな風に教育を捉える目が大きく変わりつつあるそうです。

それが、欧米で、そして日本をも飲み込む「新自由主義」の波!


「花火大会でいい席に座りたいなら、お金を払えばいいじゃないか!」と、どんなものにも値札をつけてまわる風潮が、今、公教育にも押し寄せています。

テストで「パフォーマンス」を発揮できない学校は淘汰の波にさらされるのです。

実際に、ニューヨーク市ハーレム区で大裕さんの2人の娘さん達が入ることになった学校は、音楽のような科目は専門の先生もおらず、図書館は無く、5人に1人が子どものホームレス。

学年の初めにペーパータオルや消しゴムなどの備品を家庭から持ってこないと運営できない有様の学校だったそう。

その傍ら、有機野菜でお野菜を栽培してセレブシェフを招き、お料理フェスティバルを開催する学校がすぐ隣にあります。どちらも「公立」なのに。

大裕さんは言います:

「日本の教育指導要領が変わろうとしている。『何を学ぶか』では無くて『何ができるようになったか』を測るように変わろうとしている」

何ができるようになったか、だけで測ると教育はテクニック化した商品となって、進学塾化する。そこで育てられる子どもを数値化して標準化されてしまう。

個性が社会を創る

大裕さんはこの状況に対する答えとして、ある宮大工の言葉を引用しました。


“よく見ましたら、それぞれが不揃いなのがわかりまっせ。どれもみんな精魂を込めて造ったものです。それがあの自然の中に美しく建ってまっしゃろ"

"不揃いながら調和が取れてますのや。すべてを規格品で、みんな同じものが並んでもこの美しさはできませんで。不揃いやからいいんです”

“人間も同じです。自然には一つとして同じものがないんですから、それを調和させていくのがわれわれの知恵です”

「建築デザインに合わせて木を使うのか、木を生かした建築を創造するのか」


「大人の責任」は二つある

最後に、大裕さんはハンナ・アーレントの説く大人に課せられた「二重の責任」について話をします。

“子どもには持って生まれる「生み出す力」があり、一人ひとりがなんらかの革新の要素と大人には想像し得ない新しい世界を作る可能性を持っている。(中略)

だからこそ、子どもに私たちの受け継いできた伝統、知識、技、生きる術を教え込む中で、彼らの「生み出す力」を育むのだ"

しかし同時にもう一つ、「世界」という古いものを「子ども」という新しいものから守る責任もあるそうです。

私たちは「子ども」という新しいものから私たちが祖先から受け継いできた「世界」という古いものを守らなければいけない。

"伝統や価値観を子どもたちに好き放題に壊させてはならない。自分たちが歩んできた道のりにプライドを持てるような生き方をしなければいけない"

皮肉にも、大人たちは自分たちが守ってきた世界を慈しむがゆえに、愛する子どもたちにそれを教え込み、創り変えさせるのだ”

子どもたちを守るだけじゃなくて、子どもたちから世界を守る、という発想はとても新鮮に感じました。

子どもたちはよく大人にこんな質問をしてきます。

「こんなこと勉強してなんの役に立つの?」

きっと、私たち大人はこんな質問に真摯に向き合って、私たちなりの回答を子どもたちに提示してあげる「責任」があるんだろう、と思います。

そうして美しいけれども不完全な世界を子どもたちに手渡して、より良いものに作り変えてもらって、また次の世代にバトンタッチしなければいけないのでしょう。


大裕さんの恩師の言葉があります:

"学校は人を育てる場所だから"

日本を代表する国語教師の大村はまがこだわったこと:

"優劣を忘れて、ひたすらな心で、ひたすらに励む"

さらに教育哲学者ジョン・デューイの警句:

"教育は人生の準備ではなく、人生そのもの"

大裕さんのもう一人の恩師から:

"どんな言葉を選び、発するのかがその人物の人間性を物語る。そして、次の言葉を選ぶのに最善を尽くした時、我々はその一瞬に意味を見出すことができる。そうして各々の人生を綴っていくのだ"

何ができるようになったか、ではなくて、どうやってそこにたどり着いたか、その道のりは楽しかったか?もっと学びたくなったか?

そんな風に、そこに至る道のりこそが教育なんだというメッセージを受け取りました。

小さい頃から点数で評価されるのが当たり前な今だからこそ、改めて今おかれている状況を考えさせられるとっても濃密な二時間でした。

みなさんは、どう考えますか?

ベストセラーを続けている鈴木大裕さんの著書、ぜひ手にとってみてください( ´∀`)


tanQfamilyでは今後もこういった講演会を通して教育のあり方を考えつづけていきたいと思います。


大裕さん、本当にありがとうございました!( ´ ▽ ` )


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